発達障がいとは?

発達障がいは、生まれつき脳の発達が通常と異なるために、症状は幼児のうちから現れはじめます。成長するにつれて不得意な部分に気づき、生きにくさを感じることがあります。一般的な育児ではうまくいかないことがありますが、その特性を本人や家族、周囲の人が理解し、本人に合ったやり方で日常や学校、職場での過ごし方を工夫することができれば、持っている本来の力がしっかり活かされるようになります。
支援や訓練について
自閉症スペクトラム障がいの場合
日常生活における基本的な動作や言葉を通して、人とのコミュニケーションスキルの発達を促していきます。イラストを使ってわかりやすく伝えたり、こどもが安心して過ごせるような工夫を行うことで情緒的にも安定していきます。自閉症スペクトラム障がいの支援には、さまざまな面からのアプローチが必要ですが、支援者や医療関係者などの専門家、養育者と共になって見守り、子育てについて考えていきます。
学習障がいの場合
学習障がいは、気づかれにくいことが多く、こどもが感じている困難さをまず把握し、適切な教育的な支援を行うことが大切になります。例えば、読むことが困難な場合は、文字を大きくしたり、文節に分けたりしながら、一行ずつ読みやすく工夫します。音声教材も有効です。
注意欠陥多動性障がいの場合
こどもの良いところ、頑張っているところを認め、褒めていくことが大切になります。幼児期・学童期には、課題に集中しやすいように環境を整え、成功体験を積むことでやる気と自信を引き出し、好ましい行動を増やしていくことが基本となります。
チック症の場合
一時的な症状もあるため、最初は経過観察します。運動チックと音声チックが1年以上にわたり続き、日常生活に支障が現れると治療が必要となります。まずはまわりの人の理解が大切です。
吃音の場合
吃音になる理由は、精神的な弱さが理由と誤解されがちな面もありますが、体質的な要素が強いことが知られています。治療としては、言語聴覚療法や認知行動療法が行われます。
発達障がいの種類
自閉症スペクトラム障がい
自閉症、アスペルガー症候群、その他の広汎性発達障がいのことを指し、症状の強さは個々によって違います。典型的な症状としては、相互的な対人関係の障がい、コミュニケーションの障がい、興味や行動の強いこだわりの3つの特徴が現れます。自閉症スペクトラム障がいの人は、最近では約100人に1~2人存在すると言われ、この症状を発症するのは、女性より男性の方が数倍多く、一家族に何人か存在することもあります。
学習障がい(LD)
全般的な知的発達には問題がないのに、読む、書く、計算するなど特定の事柄のみがとりわけ難しい状態を言います。この障がいの原因については、中枢神経系に何らかの機能障がいがあると推定されていますが、視覚や聴覚、知的における障がいが直接の原因にはならないと報告されています。有病率は、確認の方法にもよりますが2~10%と見積もられており、読みの困難については、男性は女性より数倍多いと報告されています。
注意欠陥多動性障がい(ADHD)
発達年齢に見合わない多動・衝動性、あるいは不注意、またはその両方の症状が、7歳までに現れます。例えば、「落ち着きがなく、じっとしていることが苦手」「作業を最後まですることが苦手」「忘れ物が多い」などの症状があります。学童期の子どもには3~7%存在し、男性は女性より数倍多いと報告されています。男性の有病率は青年期には低くなりますが、女性の有病率は年齢を重ねても変化しないと報告されています。
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